オンダ製作所「ダブルロックジョイント」の解説

管類
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オンダ製作所の「ダブルロックジョイント」は、樹脂管配管の分野で広く使用されるワンタッチ継手で前の記事にあるポリブデン管、架橋ポリ管に主に使用されます。1998年の発売以来、施工の効率化と品質向上に貢献してきました。本記事では、ダブルロックの歴史や仕様、施工方法、品番の見方、最新モデルまでをまとめて解説します。


1. ダブルロックの歴史

配管資材メーカーとして発展を続けるオンダ製作所は、1998年に外径シール構造を採用した「ダブルロックジョイント」を発売しました。従来の金属製継手に比べ、施工性と信頼性を両立させた製品として注目を集めました。

2007年には、樹脂製の「ダブルロックPシリーズ」を販売開始。軽量かつコストを抑えたモデルとして普及し、現在ではこちらが主流となっています。

さらに2018年にはリフォーム配管用の「ダブルロックジョイントRevos」を発売。流量不足を解消し、美観にも配慮した新しい継手として使われています


2. ダブルロックの仕様

ダブルロックジョイントは給水・給湯・暖房・融雪・追焚き配管など幅広く使用可能で、架橋ポリエチレン管とポリブテン管に対応しています。

使用用途と流体

  • 給水・給湯:冷温水
  • 暖房・融雪:不凍液
    ※油類(灯油など)には使用できません。

使用条件

  • 最高許容圧力:継手 1.75MPa、ボールバルブ 1.0MPa
  • 使用温度範囲:継手 -20℃~95℃

適用樹脂管

  • 架橋ポリエチレン管 PN15 M種 (JIS K 6769)
  • 水道用架橋ポリエチレン管 M種 (JIS K 6787)
  • ポリブテン管 J種 (JIS K 6778)

3. ダブルロックの施工方法

施工は「管を挿入するだけ」のワンタッチ方式。以下の点を確認すれば安心です。

施工手順

  1. 樹脂管を継手にまっすぐ差し込む
  2. 継手の端面までインコアが挿入されているか確認
  3. 光を当て、インコアの影で差し込み状態をチェック

ダブルロック構造+ダブルシール構造により、漏れや抜けの心配が少なく、安全な接続が可能です。


4. ダブルロックの品番の見方

ダブルロック継手の品番は、形状や材質を表す記号が組み合わさっています。

基本ルール

  • W:ダブルロックを意味する先頭記号
  • P:樹脂製品(プラスチック)。金属製は記号なし
  • J:ソケットやストレート型
  • L:エルボや曲がり継手
  • S・SF:保温材付き(S=10mm、SF=5mm)

数字と記号の意味

  • 数字:ねじ径や樹脂管の呼び径を表す
  • A:架橋ポリエチレン管用
  • C:ポリブテン管用、または青銅製を意味する場合もあり
  • S:水協認証登録品

特に呼び径16A以上では、PEX管とPB管で寸法が異なるため注意が必要です。


5. ダブルロックPシリーズ

「ダブルロックPシリーズ」は軽量・低コストな樹脂製継手です。ソケットやエルボだけでなく、施工性を向上させたヘッダー製品もラインナップされています。

特徴

  • ワンタッチ接続:差し込むだけで確実に施工可能
  • 汎用性:ねじ接続と樹脂管接続の両対応
  • ヘッダー製品:分岐配管の効率化、施工時間短縮
  • 日本水道協会認証品あり

代表的な製品例

  • WPJ3型ソケット(耐圧1.75MPa、温度範囲 -20℃~95℃)

・WPL3型エルボ

・WPT1型チーズ


6. ダブルロックRevos(レボス)

2018年に発売された「Revos」はリフォーム配管向けのモデル。大流量・スリム設計で、見た目と性能を両立しています。

Revosの特徴

  • 大流量を確保:流量不足を解消
  • なめらかな流路:圧力損失を低減、省エネ効果あり
  • スリム外径:化粧カバーに収まりやすい
  • ワンタッチ接続:施工が簡単でスピーディー

※一度接続すると取り外しはできないため、確実な施工が必要です。

代表的な品番


7. まとめ

オンダ製作所のダブルロックシリーズは、施工性と信頼性を兼ね備えた樹脂管継手です。
Pシリーズは軽量でコストパフォーマンスに優れ、Revosはリフォーム現場での流量不足を解消する最新モデルです。

配管資材選びにおいて、施工方法や使用条件、適用管種を正しく理解することで、安全で効率的な配管工事が実現できます。

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