バタフライ弁 — 基礎から製品選定まで

バルブ・計器類
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1. バタフライ弁ってどんな弁?

バタフライ弁(蝶形弁)は、配管内の流体を**“開ける・止める・流量調整する”**ための弁(バルブ)です。ディスク状の弁体をステム(弁棒)で90°回転させるだけで流れをコントロールできるのが最大の特徴で、構造がシンプルかつ開閉が迅速というメリットがあります。

  • 構造がコンパクト → 配管スペースを有効活用
  • 操作が簡単(レバー・ギア・自動)
  • 低〜中圧配管に強い
  • コストパフォーマンスに優れる

…といった理由から、給水・排水・空調・工場設備まで幅広く使われています。


2. 東洋バルヴのバタフライ弁とは?基礎仕様

東洋バルヴの一般用バタフライ弁は多くがJIS B 2032(10Kウェハ形ゴムシートバタフライ弁)に適合しており、配管工事標準仕様にも対応しています。

ウェハ形接続で、フランジ間に挟み込むだけで使用可能、材料や操作方式によって用途が異なるラインナップです。


3. 製品解説① — ギア操作の定番モデル:10ALM-N-GUE

🔧 基本仕様・特徴

10ALM-N-GUE は、

  • アルミダイカスト製のボディ
  • 弁体は耐食性に優れるSCS13(ステンレス系)
  • シート材質はEPDMゴム
  • 10K(低圧配管向け)/ウェハ形
  • ギア操作タイプ(ハンドルより軽い力で開閉可能)
    というバタフライ弁です。

📌 ギア操作のメリット
ギア機構内蔵のため、大口径でも軽い力での開閉が可能。現場では手動レバーだとトルクが大きくて扱いづらい場面で重宝します。

📏 呼び径バリエーションも豊富
40A〜300Aまで幅広くラインナップされており、住宅〜ビル設備まで対応可能です。

💡 どんな用途に向く?

  • 給水・排水配管
  • 空調系循環ライン
  • 維持管理で頻繁に開閉する配管

ギア式は大口径ほど操作が楽になるため、大規模設備配管での定番です。


4. 製品解説② — レバー式のシンプルモデル:10ALM-N-LUE

🔩 基本仕様・特徴

10ALM-N-LUE は、

  • アルミボディ+SCS13弁体
  • シート材質はEPDM
  • レバー式(直接操作)
  • 10K/ウェハ形
    という、もっとも基本的なバタフライ弁のひとつです。

📌 レバー式の特徴
レバーを90°回転させることで即座に開閉ができるシンプルな方式。軽量・コンパクトで、工事現場への導入・立ち上げが容易です。

📏 代表的なサイズ
40A〜150Aなどの中小口径が多く、住宅設備や小規模配管に向いています。

🔎 どんな現場に向く?

  • 屋内給水管
  • 小〜中規模設備ライン
  • 工事での初期導入用バルブ

レバー式はネジ止め・現場施工が簡単で、メンテ性の良さも魅力です。


5. 製品解説③ — ナイロンライニングタイプ:10L2-N-CN

🛠️ 基本仕様・特徴

東洋バルヴの10L2-N-CN は、

  • **鋳鉄ボディ(FCD450)**に
  • ナイロンライニング(内部コーティング)
  • シート材質はNBR
  • ギア式操作
  • 10K/ウェハ形
    という仕様のバタフライ弁です。

📌 ナイロンライニングって?
鋳鉄本体内部にナイロンをライニングすることで、
✔︎ 流体との接触による腐食・汚れ付着を抑制
✔︎ 摩耗に強く長寿命
というメリットがあります。

📏 主なサイズ
50A〜300A と中〜大口径対応。

🔍 適している用途

  • 工業系配管(ケミカル系・設備ライン)
  • 高摩耗・汚れがつきやすい流体ライン
  • 屋外・環境負荷の高い現場

ナイロンライニングは、配管内の赤水対策・長期耐久性が求められる用途に向いています。


6. 3モデルの比較:どれを選べばいい?

項目10ALM-N-GUE10ALM-N-LUE10L2-N-CN
操作方式ギア式(軽操作)レバー式(シンプル)ギア式
材質(本体)アルミアルミ鋳鉄
シート素材EPDMEPDMNBR
用途例中〜大口径、給排水小〜中口径、基本配管工業・高耐久配管
価格帯中程度低〜中程度高め

👉 ギア式が必要か/本体材質(軽量 or 高耐久)が必要かを主軸に選ぶと失敗しません。


7. バタフライ弁を正しく選ぶポイント

✅ ① 流体の種類

EPDMは水回り全般に強く、耐薬品性も比較的良好。一方、NBRは油やグリースが含まれる流体でも比較的耐性があります。

✅ ② 圧力・温度

10Kクラスが多いため、一般設備配管に最適。蒸気・高圧用途は別途専用弁を選定しましょう。

✅ ③ 操作性

頻繁な開閉や遠隔操作が必要な場合はギア式を。単純な配管のON/OFFならレバー式で十分です。


8. 配管施工・メンテナンス時の注意

  • ウェハ形はフランジ間ピッチとの適合確認が必須
  • シール材(EPDM/NBR)は流体に合わせて選定
  • 定期的な開閉確認で長寿命維持

9. 配管用途ごとのおすすめ型番比較表

ここでは、東洋バルヴ(東洋バルヴ)の
10ALM-N-GUE/10ALM-N-LUE/10L2-N-CN の3機種について、
「どんな配管用途にどれを選ぶべきか?」を一目で分かるようにまとめます。


📊 配管用途別おすすめ表

配管用途推奨型番理由
給水配管(建物内)10ALM-N-LUE軽量・レバー操作で簡単。EPDMシートで水道用途に最適
給水配管(大口径)10ALM-N-GUEギア式で大口径でも軽操作。メンテ性も良好
空調(冷温水配管)10ALM-N-GUE開閉トルクが軽く、流量調整にも対応しやすい
排水・循環配管10ALM-N-LUEON/OFF用途に十分。コストを抑えたい場合に有効
工場設備配管10L2-N-CNナイロンライニングで腐食に強く長寿命
油分を含む流体10L2-N-CNNBRシート採用で油に比較的強い
屋外設置配管10L2-N-CN鋳鉄+ライニング構造で耐久性重視
頻繁に開閉するライン10ALM-N-GUEギア操作により作業者の負担を軽減

10. 📝 選定の考え方まとめ

✔ 軽量・コスト重視 → 10ALM-N-LUE
✔ 大口径・操作性重視 → 10ALM-N-GUE
✔ 耐久性・工業用途重視 → 10L2-N-CN

というイメージで考えると、現場での選定が非常に楽になります。


🔧 追加②:施工現場での取付・保守ポイント解説

バタフライ弁は「取り付けやすいバルブ」ですが、
取り付け方を間違えると漏れ・動作不良の原因になります。
ここでは、現場で役立つ実践ポイントをまとめます。


11. 🛠 取付時のポイント

① ウェハ形の位置決めに注意

3機種とも「ウェハ形バタフライ弁」のため、

✔ フランジ間に正確にセンター出し
✔ 偏った締め付けをしない
✔ 弁体が配管内に当たらないか確認

が重要です。

👉 特にディスクがフランジ内径と干渉すると、
「弁が閉まらない」「傷がつく」トラブルが起きます。


② ボルトは対角締めが基本

フランジボルトは、

1本ずつ順番に締める ❌

対角線上に均等に締める ⭕

ことで、

✔ ゴムシートの片当たり防止
✔ 水漏れ防止
✔ 長期安定使用

につながります。


③ 取付方向の確認

基本的にバタフライ弁は流れ方向の制限は少ないですが、

・ギア式の場合
・屋外設置の場合

は、
✔ ハンドル・ギアが操作しやすい向き
✔ 雨水が溜まらない向き

で設置すると、後々のメンテナンスが楽になります。


12. 🔍 使用時・保守のポイント

① 定期的に「全開・全閉」操作をする

長期間動かさないと、

・弁体が固着
・シート部に汚れ付着

が起きやすくなります。

👉 月1回程度の開閉操作が理想です。


② 漏れの初期症状を見逃さない

次のような症状が出たら注意:

✔ 弁の周囲が湿っている
✔ 閉止しても水が止まりきらない
✔ ハンドル操作が重い

→ 多くの場合
シート部の劣化 or ゴミ噛み が原因です。


③ 型番ごとの保守イメージ

型番保守のしやすさ注意点
10ALM-N-LUEレバーの固定ピン緩みに注意
10ALM-N-GUEギア部への異物侵入防止
10L2-N-CNライニング傷付き防止

13. 🧩 施工+選定で失敗しないために

現場で失敗しやすいのは、

❌ とりあえず安い型番
❌ 操作方式を考えず選定
❌ 施工後に動かしづらい位置

というケースです。

そのため、

✔ 用途(給水・空調・工場設備)
✔ 口径(小口径 or 大口径)
✔ 操作頻度(たまに or 頻繁)

を整理したうえで、

10ALM-N-LUE
10ALM-N-GUE
10L2-N-CN

を選ぶことが、
トラブル防止と長寿命化につながります。

14. まとめ:バタフライ弁選びのコツ

バタフライ弁は、配管施工におけるコスト・施工性・流体制御のバランスが取れた製品です。
今回紹介した3モデルは、

  • ギア式で扱いやすい 10ALM-N-GUE
  • シンプル操作の 10ALM-N-LUE
  • 耐久性・工業配管に強い 10L2-N-CN

と用途に応じて選べるタイプ。それぞれの特長を押さえて、現場ニーズに最適なバルブ選定をしてください。

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