配管用炭素鋼鋼管(SGP)とは?ガス管の特徴を解説

管類
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配管工事や設備工事の現場で、最もよく目にする鋼管の一つが**SGP管(配管用炭素鋼鋼管)**です。
通称「ガス管」とも呼ばれ、住宅設備・空調設備・工業設備など幅広い分野で使用されています。

ホームセンターでも入手できるほど流通量が多く、設備配管では非常に身近な存在です。

しかし実際には、

・白ガス管と黒ガス管の違い
・A呼称とB呼称の違い
・使用できる温度や圧力
・水道配管には使えない理由

など、意外と知られていないポイントも多くあります。

この記事では、SGP管の特徴・規格・用途・サイズ・現場での使われ方まで詳しく解説します。


配管用炭素鋼鋼管(SGP)とは

配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、JIS G 3452で規定されている配管用鋼管です。

SGPとは

Steel Gas Pipe(スチール ガス パイプ)

の略称であり、名前の通りガス配管に使用される鋼管として規格化されました。

現在ではガス配管だけでなく、

・蒸気
・空気
・油
・工業用水
・空調配管

など様々な配管に使用されています。

設備配管の中でも非常に汎用性が高く、
**「最も一般的な鋼管」**とも言われています。


SGP管の使用条件

SGP管は低圧配管用の鋼管として設計されています。

主な使用条件は以下です。

項目条件
使用温度−15〜350℃
使用圧力1.0MPa以下

このため、

・低圧蒸気配管
・エアー配管
・油配管
・ガス配管

などに使用されます。

一方で、高圧配管には使用できません。

1.0MPa以上の圧力になる場合は、

圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)

などの配管を使用する必要があります。


SGP管の種類(白管と黒管)

SGP管には大きく分けて2種類があります。

・黒ガス管(黒管)
・白ガス管(白管)

違いは亜鉛めっきの有無です。


黒ガス管(SGP黒管)

黒ガス管は、表面処理をしていない鋼管です。

酸化被膜によって黒い色をしているため
「黒管」と呼ばれています。

主な用途

・蒸気配管
・油配管
・エアー配管
・プラント配管

特徴

・溶接がしやすい
・コストが安い
・加工が容易

ただし、防錆性能は高くないため
水が通る配管にはあまり向いていません。


白ガス管(SGP白管)

白ガス管は、内外面に亜鉛めっきが施された鋼管です。

亜鉛めっきにより耐食性が向上しており、
錆びにくい特徴があります。

主な用途

・工業用水配管
・空調配管
・衛生設備配管
・消火設備配管
・屋内ガス配管

設備工事の現場では、
露出配管=白ガス管というケースも多く見られます。


白管と黒管の違い

項目白管黒管
表面処理亜鉛めっきありなし
耐食性高い低い
用途水・空調・消火蒸気・油・エアー
銀色黒色

上水道にSGP管が使われない理由

昔は給水配管にもSGP管が使用されていました。

しかし現在は、
上水道配管には原則使用されていません。

理由は

亜鉛の溶出

です。

長期間使用すると亜鉛めっきが溶け出し、
水質に影響する可能性があるためです。

そのため現在の水道配管では

・塩ビライニング鋼管(VLP)
・ポリエチレン管
・架橋ポリエチレン管

などが主流になっています。


SGP管の製造方法

SGP管は、製造方法と仕上げ方法の組み合わせで分類されます。

製管方法記号
電気抵抗溶接E
鍛接B

仕上方法

仕上方法記号
熱間仕上げH
冷間仕上げC
溶接ままG

現在流通している多くのSGP管は

電気抵抗溶接管(ERW)

です。


SGP管の化学成分

SGP管の化学成分は
JIS G 3452で以下のように規定されています。

元素含有量
P(リン)0.040%以下
S(硫黄)0.040%以下

炭素鋼としては比較的シンプルな成分構成で、
加工性や溶接性を重視した材料です。


SGP管の機械的性質

機械的性質の代表値は以下です。

項目数値
引張強さ290N/mm²以上

また、板厚ごとに伸びの規定も設けられています。

これは鋼管が
曲げや衝撃に耐えられる強度を持っていることを意味します。

SGP管は鉄管のため、

・衝撃に強い
・荷重に強い
・露出配管でも安心

という特徴があります。


SGP管のサイズ(呼び径)

SGP管は非常に多くのサイズがあります。

外径範囲

10.5mm〜508mm

まで規格化されています。

よく使われるサイズは以下です。

呼び径外径
15A(1/2B)21.7mm
20A(3/4B)27.2mm
25A(1B)34.0mm
32A(1-1/4B)42.7mm
40A(1-1/2B)48.6mm
50A(2B)60.5mm

設備工事では

15A〜50A

が最もよく使われます。


A呼称とB呼称とは

配管サイズの表示には
2つの呼び方があります。

A呼称(ミリ系)

20A
25A
50A

日本の設備図面ではこちらが一般的です。

B呼称(インチ系)

3/4B
1B
2B

古くから使われているインチ表示です。

A呼称B呼称
15A1/2B
20A3/4B
25A1B

設備業界では

「ヨンブ」「イチブ」

などの呼び方もよく使われます。


呼び径と外径が違う理由

配管サイズは

呼び径=内径の目安

で決められています。

しかし鋼管は

・板厚
・規格

によって内径が変わるため

呼び径と実際の外径は一致しません。

例えば

呼び径外径
20A27.2mm
25A34.0mm

このため配管サイズを確認する場合は
外径を測定する方法がよく使われます。


既設配管のサイズを調べる方法

リフォームや改修工事では
既存の配管サイズを調べる必要があります。

その場合は

方法① 刻印を見る

鋼管には

・メーカー名
・JIS
・SGP
・サイズ

などが印字されています。

ただし古い配管では
塗装や腐食で見えない場合もあります。


方法② 外径を測る

ノギスで外径を測定すれば
サイズを特定できます。

外径サイズ
21.7mm15A
27.2mm20A
34.0mm25A

現場ではこの方法が一番確実です。


SGP管の接続方法

SGP管は主に

ねじ込み接続

で接続します。

接続部には

・ねじ込み継手
・ユニオン
・チーズ
・エルボ

などを使用します。

また大口径では

・溶接接続
・フランジ接続

も使用されます。


SGP管のメリット

SGP管には多くのメリットがあります。

強度が高い

鉄製のため衝撃に強く
露出配管でも安心です。

耐熱性が高い

350℃まで使用できるため
蒸気配管にも対応できます。

入手しやすい

ホームセンターでも販売されており
流通量が非常に多いです。

加工が容易

ねじ切り加工が簡単で
現場加工もしやすいです。


SGP管のデメリット

一方でデメリットもあります。

重量が重い

鋼管のため
樹脂管より重いです。

錆びやすい

黒管は特に腐食しやすいです。

上水道に使えない

現在は水道配管には使用できません。


SGP管の主な用途

SGP管は非常に幅広い分野で使用されています。

建築設備

・空調配管
・消火設備
・衛生設備

工業設備

・エアー配管
・蒸気配管
・油配管

ガス設備

・都市ガス配管
・屋内ガス配管

設備工事では
最も基本的な鉄管と言える存在です。


まとめ

SGP管(配管用炭素鋼鋼管)は、
JIS G 3452で規定された最も一般的な配管用鋼管です。

主なポイントは以下です。

・ガス管とも呼ばれる鋼管
・白管(亜鉛めっき)と黒管の2種類
・使用温度 −15〜350℃
・使用圧力 1.0MPa以下
・主に蒸気・空気・油・ガス配管に使用
・サイズは10.5mm〜508mmまで規格化

設備配管では現在でも多くの現場で使用されており、
配管材料の中でも基本となる鋼管です。

SGP管の特徴や規格を理解しておくことで、
配管設計や施工の理解も深まります。

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