エスロンACドレンとは?

管類
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エスロンACドレンパイプ・継手は、積水化学工業が展開する空調ドレン配管専用の配管材です。
空調設備から発生する結露水(ドレン)の配管に特化した結露防止層付硬質塩化ビニル管(PVC)と継手のシステムであり、従来のドレン配管工法に対して大きなメリットを持つ製品です。

空調ドレン配管は一般的に結露防止のため別途保温材を巻く施工が必要ですが、エスロンACドレンは中間層に発泡断熱層を一体成型しているため保温工事が不要であり、配管と同時に保温施工が完了します。

これは単なる空調排水用PVC管ではなく、「保温材一体構造」+「施工の省力化」を目的とした高機能管材であり、ビル設備や商業施設などでの空調配管工事に最適化されています。


なぜACドレンが必要なのか? —— 空調ドレン配管の背景

■ 空調設備のドレンとは?

空調機を運転すると、冷房負荷時にコイル表面で結露が発生します。この結露水(ドレン水)を安全に排水するための配管が空調ドレン配管です。
この配管は※圧力を受けない重力排水であり、適切な勾配・保温・施工が求められます。

■ 結露の問題点

通常の塩ビ管等では保温施工が不十分だと、配管表面に結露が発生し、天井内や壁面で漏水トラブルを招く可能性があります。
保温工事が必要になる理由は主に以下です:

  • 冷たいドレン水による配管表面温度の低下
  • 外気温・湿度条件による結露の発生
  • 配管内に水が溜まりやすい構造の場合に結露発生リスクが高まる

こうした結露対策の負担が大きいため、保温材一体型の配管が求められるようになりました。


エスロンACドレンの構造と特徴

■ 基本構造

エスロンACドレンパイプは、三層構造のPVC管で構成されています:

  1. 内層:流体(ドレン水)が通る硬質塩化ビニル樹脂
  2. 中間層:発泡断熱材(結露防止機能)
  3. 外層:外部環境から保護する硬質PVC

この中間の発泡断熱層が保温材と同等の機能を果たします。中間層は配管全体を包む発泡体で、外側に保温巻きが不要なのが大きな特徴です。

■ 特徴まとめ

✔ 保温材不要

→ PVC管自体が断熱性能を内蔵しているため、別途保温材を巻く必要がありません。

✔ 保温工事不要で工期短縮

→ 配管と同時に保温が済むため、工程を大幅に短縮できます。

✔ 一般塩ビ管同様の接着施工

→ DV接続(接着)での施工が可能で、従来と同じ施工手順で対応できます。

✔ 透明継手で施工確認が容易

→ 透明の継手を使うことで、接着状態や水の流れを目視でチェック可能。(透明でない継手と同じ色の継手もあります)

✔ 結露防止性能

→ 発泡断熱層が管全体を包み、冷房時の結露防止に寄与します。積水化学工業-エスロンタイムズ


エスロンACドレンの施工性

施工面においても大きなメリットが多数あります。

■ DV接続で簡単に接合

通常の塩ビ管と同様、**接着剤による接合(DV接続)**が可能であり、特別な施工技術は不要です。継手はホワイトと透明の2種類あります
透明継手の方は+カラー接着剤により、接合部の確認も容易な施工性となっています。

■ 管勾配の確認がしやすい

保温材を巻かないため、配管の勾配や接続状態が目視で確認可能。これは施工管理の精度向上につながります。

■ 管内に満水部がある場合の注意

ドレン配管の下流や立て管部で満水になる区間では、ACドレン単体では結露することがあるため、フレキユニットを使用したり、部分的な保温補助が推奨される場合があります。


エスロンACドレンの製品ラインナップ

エスロンACドレンは以下のような構成製品が存在します:

  • ACドレンパイプ(呼び径20〜50)
  • 各種継手・透明継手(ソケット、エルボ、チーズ等)

製品はカタログから詳細なサイズ・仕様を確認できます。


一般塩ビ管+保温材との比較

項目通常塩ビ管+保温材エスロンACドレン
保温材必須不要
工期長い(配管+保温工程)短い(同時完了)
施工ミス多い可能性あり目視確認で低減
コスト保温材分が追加初期が高めでも工数削減で総合コスト低減

※施工の規模や現場条件によって最適工法は異なります。


どんな現場に向いているか?

エスロンACドレンは以下のような現場で特に効果を発揮します:

  • 商業ビル(複数の空調機と複雑なドレン経路)
  • ホテル・病院(清潔要件と漏水防止が重視される)
  • 学校・公共施設(工期厳守・施工安全性重視)
  • 大規模空調設備(将来メンテ性の向上が求められる)

注意点と施工上のポイント

エスロンACドレンを使う上で、施工者や設計者が気をつけたいポイントは以下です:

❗ 屋内専用であること

エスロンACドレンは屋内専用です。屋外で使用する場合は別途対策が必要です。

❗ 圧力配管には使用不可

この管は重力排水専用であり、圧力配管用途には使用できません。

❗ 満水部での結露

立て管下部など“満水になる区間”では、別途対策(フレキユニット・部分保温等)が必要な場合があります。

❗ 異種管との接続

異なる管種と接続する際は、必ずアダプター継手を用いる必要があります。

📌 サイズは「AC仕様」=外径が大きい

ACドレンパイプは、3層構造の発泡断熱層付きのため一般の塩ビ管より外径が一回り大きくなっています。たとえば50AのACドレンパイプは、通常塩ビ管の65Aと同じ外径です。このため:

  • 吊りバンドや支持金具はAC仕様のサイズに合わせる必要
  • 現場で「50Aって言ったら50Aの継手持ってきて」と言いがちだが、実はACサイズ表記が必要

📌 接着剤は“発泡層にも塗布”

普通の塩ビ配管では、パイプ外側と継手内側だけに接着剤を塗布しますが、ACドレンの場合はもっと丁寧に:

  • 接着剤は「継手内面」
  • 「パイプの外側外面」
  • さらに「発泡断熱層の端面」にも必ず塗る

ことが推奨されています。これは、中間の発泡層に水が入ると断熱性能が失われるだけでなく、最外層(スキン層)に微細な傷がある場合、そこから漏水するリスクがあるからです。

実際、この発泡層に接着剤を塗らない場合には、時間が経って水がじわじわと浸透してしまい、漏水や断熱低下の原因になるという検証結果も報告されています。

接着後の「保持時間」は長めに

標準的な塩ビ配管と同じように接着してすぐ放置…では不十分です。ACドレン継手は、

  • 接着後、30秒以上しっかり保持
  • 体感としては塩ビ配管より長い保持時間が必要

といった現場の注意喚起があります。これは、発泡層付きの複合構造によって、接合部の強度確保に時間がかかるという理由からです

📋 推奨される接着剤の種類と特徴

エスロンの接着剤の一覧では、ACドレンにも使える接着剤として以下のような種類が挙げられています(一覧はメーカーサイトからの抜粋):

品番粘度(目安)特徴
No.73S / No.73S ブルー透明/青中程度標準的な接着剤。多用途でACドレンにも対応◎
No.75S / No.75S ブルー透明/青低粘度流し込みやすいタイプ。細い継手や接合部の塗布に最適
No.73S UV黒(UV蛍光)中程度ブラックライトで接着剤塗布状態が確認できるタイプ(施工チェック向け)
※透明・着色タイプともに接着強度は同等透明継手にはブルーの色付きやUV蛍光を使うことを推奨します

まとめ:空調ドレン配管の“標準装備”としてのACドレン

エスロンACドレンは、空調ドレン配管に求められる以下のニーズを高いレベルで満たす配管システムです:

  • 保温不要で結露防止性能を内蔵
  • 施工性が良く工期短縮につながる
  • 配管管理・施工品質の向上
  • 施工現場の安全性・効率性強化

空調設備工事の現場では、従来の塩ビ管+外付け保温材による工法が主流でしたが、労働力不足・工期短縮要求が高まる中で、エスロンACドレンは次世代の標準仕様として推薦される管材です。

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