近年、配管工事の現場ではネジ切り加工や溶接の削減、施工時間の短縮、安全性の確保がより重視されています。そこで普及しているのが メカニカル管継手(機械式継手) と呼ばれる製品群で、その代表格が ショーボンドマテリアルの「ストラブカップリング」シリーズ です。
ストラブカップリングは ボルト締めだけで配管接続が完了する 継手であり、溶接やネジ切りなどの高い技能を要求せず、幅広い管種・配管径に対応できることから、設備配管・建築配管・配管補修など多用途で使用されています。
本記事では、シリーズごとの特徴・用途・施工ポイント・選び方まで、配管工事者向けに徹底解説します。
🧩 目次
- ストラブカップリングの基本構造と仕組み
- ショーボンドマテリアル製 ストラブ・グリップシリーズ
- GXタイプ
- Gタイプ
- GUタイプ・316タイプ ほか
- ストラブ・フレックス(Fタイプ)
- ストラブ・クランプ(Cタイプ) — 漏洩補修用
- 製品仕様一覧比較
- 選び方のポイント
- 現場での施工注意点/Q&A
- まとめ:選ばれる理由とおすすめ用途
🔩 1. ストラブカップリングの基本構造と仕組み
「ストラブカップリング」とは一般的には メカニカル継手(Mechanical Joint) と呼ばれるタイプの継手で、主に以下の特徴を持ちます:
- ボルト・ナットで締め付けるシンプルな施工
- 溶接やネジ切り加工が不要
- EPDMやNBR製シールにより高い密封性
- 鋼管、ステンレス管、VP管など多様な配管に対応
- 抜け防止機構(脱管防止)がある製品が多数
特に「ストラブ・グリップ」系統は 脱管防止・シール機能・耐久性 を備えた標準的なシリーズとして広く使われています。
🔧 2. ショーボンドマテリアルのストラブ・グリップシリーズ
■ GXタイプ — 施工性を追求したスタンダード
ストラブ・グリップ GXタイプ
標準的な機械式継手として広く採用されているモデル。高耐食ステンレス製で 軽量コンパクト な設計により、狭い場所でも施工しやすい仕様です。
- 適用配管:鋼管・ステンレス管・VP(VU)管など
- 管径範囲:15A~200A
- 使用圧力:1.0〜1.6MPa
- 温度範囲:-30~90℃
- 脱管防止機能付き
- 施工は ボルト2本の締め付けだけで完了
特徴的なのは「メタルタッチ構造」採用で、従来タイプに比べて トルク値管理が不要 になり、ラチェットレンチ等でも均一な施工が可能です。これにより熟練度に依存せず品質の安定した施工が期待できます。
■ Gタイプ — 標準・汎用タイプ
ストラブ・グリップ Gタイプ
GXタイプのベーシック版ともいえるシリーズで、鋼管・ステンレス管・VP管等の接続に広く使用されます。脱管防止機構とシール性能が両立され、一般的な配管用途に最適です。
特に設備配管・油圧配管・温水配管等の 中圧域配管 で採用されており、施工実績が豊富です。
■ 316タイプ・GUタイプ など
このほか耐食性に優れた 316ステンレス仕様 や、銅管用に適した GUタイプ もラインナップされています。用途に応じて材質・仕様を選ぶことで、より最適な配管システムを構築できます。
316ステンレス仕様 高耐食のSUS316を使用し十分な耐久性を確保
GUタイプ
🌀 3. ストラブ・フレックス(Fタイプ) — 抜け防止機能不要の柔軟カップリング
ストラブ・フレックス Fタイプ は、 脱管防止機能を持たないカップリング で、排水・機械設備・ケーブルプロテクション配管等、固定支持される配管環境で使用されます。
- 抜け防止機構は付属せず、圧力配管での使用には十分な支持が必要
- 排水管や無圧配管向けに最適
- 施工はボルト締めだけで完了
フレックスシリーズの大きな特徴は 管のズレや角度変化(可とう性) に対して比較的寛容であること。配管ネットワーク内の「移動・振動」環境下でも施工しやすい点が評価されています。
🔧 4. ストラブ・クランプ(Cタイプ) — 漏洩補修用クランプ
ストラブ・クランプ Cタイプ は、 漏洩補修用クランプとして設計された製品 です。溶接部・ピンホール・腐食割れ部の漏洩箇所を素早く補修できるのが特徴で、断水不要で施工できます。
- 適用配管:鋼管・ステンレス管・VP(VU)管など
- 管径範囲:20A~700A
- シール材:EPDM/NBR
- 圧力:0.7〜1.0MPa
- 温度範囲:-30~100℃
施工性の高さ が魅力で、漏洩箇所を覆うだけでしっかり止水可能。特に 運転停止が難しい配管系統 の補修作業で威力を発揮します。
📊 5. ストラブカップリングシリーズ 仕様まとめ
| シリーズ | 用途 | 脱管防止 | 適用配管 | 管径 | 圧力範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| GXタイプ | 標準継手 | あり | 鋼管・ステンレス・VP | 15A〜200A | ~1.6MPa |
| Gタイプ | 汎用継手 | あり | 鋼管・ステンレス・VP | 20A〜400A | ~2.0MPa |
| Fタイプ | 柔軟継手 | なし | 様々 | 50A〜300A | 無圧〜 |
| Cタイプ | 漏洩補修 | —— | すべて | 20A〜700A | ~1.0MPa |
※各仕様は代表例(メーカー総合カタログより)。
📌 6. 選び方のポイント
ストラブカップリングを選定する際は、以下を基本に検討します:
🔍 ① 配管用途・圧力条件
高圧領域では GX・Gタイプ、無圧/排水系では Fタイプ を選択。
🔍 ② 配管材質
鋼管のみならず ステンレス管・VP管 への対応が必須か確認。脱管防止が重要な用途では グリップ系 を選択。
🔍 ③ 輸送・工期短縮
ネジ切り加工・溶接工事を削減でき、 現場作業時間短縮・工数削減 に大きなメリット。
🔍 ④ 漏洩補修用途
配管事故時の緊急補修には Cタイプ が強力な選択肢。
⚠️ 7. 現場での施工注意点
- 脱管防止仕様か否かを必ず確認する
- Fタイプは脱管防止機構がないため、固定支持を計画的に
- シール材 EPDM/NBR の 耐熱・耐薬品条件 を配管条件に合わせる
- 漏洩補修時はカバー面を十分に清掃してから取り付け
正しい施工と規格選定が長期使用のポイントです。
✅ 8. まとめ:ストラブカップリングが選ばれる理由
ストラブカップリングシリーズは、配管継手に求められる主な要件を満たしつつ、現場施工性・コストパフォーマンス・メンテ性を高めています。特に熟練度に依存せずに一定品質で施工できる点や、多種配管に対応できる柔軟性が、長年の実績からも支持されています。



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