塩ビ管メーカーの今|主要3社の特徴と業界の現状をわかりやすく解説

業界分析

配管資材の中でも、住宅や建築現場、工場設備など幅広く使われる塩ビ(塩化ビニル)管。この塩ビ管にも、実はさまざまなメーカーが存在します。この記事では、現場でよく使われる主要メーカー3社を中心に、それぞれの特徴や現在の業界の動向をわかりやすくご紹介します。


◆ 現場でよく使われる塩ビ管メーカー3社

1. クボタケミックス(Kubota-Chemix)

国内でもっとも広く使われている塩ビ管メーカーのひとつ。
VP管・VU管・HT管などの品ぞろえが豊富で、安定した品質と加工のしやすさから、多くの現場で指名買いされる存在です。最近では日本プラスチック工業を子会社化しポリ管も強みを増しました また配水ポリの分野も強く新商品開発されている印象があります 元々鋳鉄の集合管が強かったのですが今年度からは塩ビの集合管が発売されます

  • クボタのグループを生かして商品開発が強み 塩ビ以外の分野も多彩
  • 取り扱い店舗が多く、調達しやすい
  • 給排水用、雨水、空調配管などにも対応

2. 積水化学工業

塩ビ管以外にも多くの建材を取り扱う総合メーカー。
特に公共事業や大規模建築での採用実績が多く、信頼性の高いブランドとして知られています。

  • 厚肉・薄肉タイプなどのラインアップが多彩 配水ポリ分野も強い
  • 接続部材や継手類も充実しており施工性が高い
  • 積水ハウスの物件は指定で積水製品が使用される

3. アロン化成(ARON)

独自の製品ラインを展開し、塩ビパイプ・継手以上に排水マスに強みを持っています。
継手や専用接着剤なども自社製品で統一されており、信頼性の高い施工が可能です。

  • 排水・公共マスのラインナップはトップクラス 競合は前澤化成
  • 親会社は東亞合成
  • 近年は土木の分野に新商品開発注力し伸ばしている

◆ 製造撤退したメーカーも…

かつては、三菱化学や信越化学工業といった大手企業も塩ビ管を製造していましたが、原材料価格の高騰や事業構造の変化により、現在では製造を終了しています。

これは業界全体として、原料である塩化ビニル樹脂(PVC)の価格高騰や生産効率の見直しが求められているという背景があります。
特にコロナ禍以降は物流コストも上がり、今後も価格改定が続く可能性があります。


◆ 今後の塩ビ管選びのポイント

  • メーカーによって寸法や色味に若干の差異があるため、継手との互換性などは注意が必要です。
  • DIYや小規模施工ではアロン化成やクボタケミックスが扱いやすい傾向があります。
  • 価格面と供給力を見ながら、現場の要件に合ったメーカーを選ぶことが大切です。
  • 最近では猛暑で暑いところに塩ビ管を置くと曲がる可能性あり 各メーカー夏にはサマーパイプと言う曲がりにくいパイプを夏の期間販売している

◆ まとめ

塩ビ管はどれも同じに見えて、実はメーカーごとに特徴が異なります
施工性・価格・供給力などを比較し、自分の現場に合ったものを選ぶことで、作業効率や仕上がりが大きく変わってきます。

今後も材料価格の変動や環境規制の強化など、塩ビ管業界は変化が続きます。また近年では石油などの原料の値上げ+運送費の値上げで数年前よりパイプが倍近くの価格になっています また戸建ての住宅も大きくは増えていないので塩ビ管以外の分野に各メーカー力を入れている傾向があります

それでも塩ビ管は建物には以前欠かせないものであり、メーカーの状況を知っておくのは良いことだと思います

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