配管現場でよく使われる鋼管には、「白管」「黒管」「STPG管」といった種類があります。
見た目が似ていても防錆性・用途・加工方法などが全く異なるため、正しい知識が重要です。
この記事では、それぞれの鉄管の特徴や用途、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
1. 白管(亜鉛メッキ鋼管)


特徴
- 黒管に電気亜鉛メッキ処理を施した鋼管。
- 表面は銀色で滑らか。腐食にやや強い。
- JIS G3442に基づく「SGP白」(白ガス管)などが該当。
- 15A〜100Aはネジが切ってある白付とネジが切っていない白無あり、125以上は基本的に白無
- 100Aまでは4mと5,5mがあり125以上は基本的に5,5mが規格品
主な用途
- 屋内の給水管、冷温水配管
- 空調設備の配管(ドレンなど)
- 一般設備配管(露出施工にも対応)
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
外観がきれいで施工しやすい | メッキがはがれると錆びやすい |
加工性が良くコストも手頃 | 屋外・湿気の多い場所では不向き |
2. 黒管(裸鋼管)
特徴
- 表面に処理のないそのままの鋼管。黒っぽい色が特徴。
- 白管の元になる管で、安価。
- 耐食性は低く、錆止め塗装が前提。
主な用途
- ガス管(都市ガス・プロパンなど)
- スプリンクラー・消火配管
- 建築設備の支持部材、補強金具など
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
安価で強度が高い | 錆びやすく、防錆塗装が必要 |
加工しやすく大量使用向け | 水配管には不向き(錆リスク) |
3. STPG管(圧力配管用炭素鋼管)

特徴
- 高圧配管や蒸気配管に対応した鋼管。
- JIS G3454で規定され、厚肉タイプが多く、強度・耐圧性が高い。
- 圧力のかかる現場に必須の配管材。
- 基本は5.5m 黒管と白管 スケジュール40と80が規格
スケジュール80は同じ呼び径・外径でも肉厚が厚く、その分内径が小さくなります。したがって、同じ外径のパイプでもSCH80の方が重量が重くなります
- スケジュール40の白管が一番使用される
- 電縫管とシームレス管がある
電縫管(電気抵抗溶接管)とシームレス管(継目無管)の主な違いは、製造方法・強度・コスト・用途にあります。
比較項目 | 電縫管(溶接管/ERW管) | シームレス管(継目無管) |
---|---|---|
製造方法 | 金属板を円筒状に成形し、長手方向を電気抵抗溶接で接合 | 丸棒の中心を押し広げて中空にし、継ぎ目なく成形 |
外観 | パイプの長手方向に溶接線(シーム)が見える | 継ぎ目がなく、全周が均一な外観 |
強度 | 溶接部の強度が母材よりやや劣る(腐食リスクも有) | 全体が均質で高強度、内圧・ねじれに強い |
寸法精度 | 高精度で薄肉管の製造に向く | 偏肉(厚みムラ)が起きやすく、寸法精度はやや劣る |
コスト | 連続生産が可能で安価、大口径にも対応 | 製造コストが高い、小口径・厚肉管に適する |
製造可能サイズ | 大口径まで対応可能 | 小口径・中口径が中心、大口径は難しい |
用途 | 一般配管、大口径配管、コスト重視の用途 | 高圧・高温・高強度が求められる用途、厚肉管 |
主な用途
- 高温高圧の蒸気ライン
- ボイラー配管、工場設備配管
- 空調機・冷温水の圧送ラインなど
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
耐圧・耐熱に優れ、信頼性が高い | 白管・黒管より高価 |
溶接施工にも強く、構造材としても有用 | 加工に技術が必要(溶接・ねじ切りなど) |
比較一覧表
管種 | 防錆性 | 耐圧性 | 加工性 | コスト | 主な用途 |
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白管 | △ | △ | ◎ | ○ | 給水・空調 |
黒管 | × | △ | ◎ | ◎ | ガス・消火 |
STPG管 | △ | ◎ | △ | × | 高圧・高温 |
まとめ:用途に合わせて選ぶのが鉄則!
- 白管:屋内給水や空調配管など、一般設備向け。
- 黒管:ガス配管・スプリンクラー配管など、耐圧性重視+錆止め必須。
- STPG管:ボイラー・蒸気・高温高圧ラインなど、過酷な環境用。
それぞれに向き・不向きがあるため、「現場の条件」によって正しく選びましょう!
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