建築や設備の現場では、用途に応じてさまざまな配管材料が使われます。
その中でも特に多く使われているのが、鉄管・塩ビ管・ステンレス管の3種類です。
この記事では、それぞれの材質の特徴や用途、選び方をわかりやすく解説します。
1. 鉄管(鋼管)

特徴
- 強度が高く、耐圧性に優れる
- 溶接やねじ込みで接続
- 重くてサビやすいため、防錆処理が必要
主な用途
- 空調配管(冷温水管)
- 消火設備
- 工場などのプラント配管
メリット
- 高圧・高温にも対応可能
- 汎用性が高く種類も豊富
デメリット
- 重量があるため施工性は劣る
- 腐食対策が必要(溶融亜鉛メッキ管などを使うことも)
2. 塩ビ管(PVC管)

特徴
- 軽量で加工が簡単
- 接着剤での施工が多く、施工スピードも早い
- 耐薬品性・耐腐食性に優れる
主な用途
- 給水・排水配管
- 雨水・通気配管
- 一部の工場配管(耐酸性を活かして)
メリット
- 価格が安く、手に入りやすい
- 腐食の心配がない
デメリット
- 耐熱・耐圧性が弱い(温水不可)
- 紫外線に弱いため、屋外は注意(遮光対策が必要)
3. ステンレス管(SUS)

特徴
- サビに強く、美観も良好
- 長寿命・高耐久
- 溶接式やワンタッチ式継手などが選べる
主な用途
- 給水配管(特にビル・病院・食品工場など)
- 高級住宅設備
- クリーンルーム・医療現場
メリット
- 衛生的で水質に影響を与えない
- メンテナンスの手間が少ない
デメリット
- 他の管種に比べて価格が高い
- 加工・施工には専用工具が必要な場合も
材質ごとの比較表
特性/材質 | 鉄管 | 塩ビ管 | ステンレス管 |
---|---|---|---|
耐久性 | ◎ | △ | ◎ |
腐食耐性 | △(要処理) | ◎ | ◎ |
加工・施工性 | △ | ◎ | △ |
コスト | ○ | ◎ | △ |
主な用途 | 空調・消防 | 給排水・雨水 | 給水・クリーン |
配管材の選び方まとめ
それぞれの材質には明確な特徴があるため、**「流れるもの・環境・施工性・コスト」**のバランスを見て選ぶことが重要です。
迷ったときの基準:
- コスト優先・低圧配管 → 塩ビ管
- 耐久性&信頼性重視 → 鉄管・ステンレス管
- 清潔・長寿命・メンテ不要 → ステンレス管
まとめ
配管材選びは、見えない部分こそ品質が問われます。
現場や施工条件に合った材料を選定することで、長く安心して使える配管を実現できます。
今後の記事では、バルブや継手、シール材などの選び方や実務ノウハウも紹介していきます。
ぜひブックマークして、実務の参考にしてみてください!
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