配管資材の中でも、近年さまざまな現場で活用されているのが「ポリエチレン二層管（PE二層管）」です。軽量で扱いやすく、耐薬品性や柔軟性に優れたこの管材は、水道やガス、工業用配管など幅広い用途で利用されています。この記事では、ポリエチレン二層管の構造・特長・用途・施工上の注意点、さらにはDIYや継手の種類についてもわかりやすく解説します。
✅ ポリエチレン二層管とは？
ポリエチレン二層管は、その名のとおり異なる特性をもつ2種類のポリエチレン樹脂を内層と外層に分けて押出成形された多層構造のパイプです。
- 内層（インナー）：耐薬品性や衛生性に優れた樹脂を使用
- 外層（アウター）：耐候性や耐衝撃性を考慮した高密度ポリエチレンなどを採用
このような構造により、単層管に比べてバランスの取れた性能を発揮します。
✅ 特徴
● 軽量で施工性が高い
金属管に比べて圧倒的に軽く、取り回しがしやすいです。特に曲げ加工がしやすいため、現場の自由度が高くなります。
● 腐食しない
樹脂製のため赤錆や電食の心配がありません。埋設配管などでも長期にわたり安定した性能を発揮します。
● 耐薬品性・耐食性に優れる
化学薬品・酸・アルカリなどに強く、工場配管や排水系統でも使用可能です。
● 二層構造で長寿命化
外部衝撃や紫外線に対する耐性が高く、屋外露出配管にも対応できる製品もあります。
✅ 主な用途
- 給水・給湯配管（屋内・屋外）
- 埋設配管（上下水道・ガス）
- 冷温水配管（空調）
- 化学薬品や排水ライン（工場設備）
- 農業用配管や防災設備
配管ルートの自由度、耐久性、メンテナンスの容易さなどから、新築・改修どちらでも需要があります。
✅ 継手の種類（タブチのポリワンを中心に）
ポリエチレン二層管は、一般的な金属継手とは異なる専用の継手が必要です。中でも、**株式会社タブチの「ポリワンシリーズ」**は住宅用水道配管などで広く採用されています。
● タブチ「ポリワン」シリーズの特徴
- 工具不要でワンタッチ施工が可能
- シール性能が高く、漏れに強い構造
- 施工時間が短縮でき、DIYユーザーにも最適
- 分岐継手、エルボ、チーズなど部材が豊富で対応力が高い
● 他の継手方式
- 熱融着継手（ヒートフュージョン）：機械で加熱して管と継手を溶かし接合
- 電気融着継手（EF継手）：電熱線で接合、確実だが専用装置が必要
- メカニカル継手（機械式継手）：工具で締め付けるタイプ、仮設や改修工事に向く
✅ DIYでの利用ポイント
ポリエチレン二層管は、DIYでも扱いやすい配管材として注目されています。
● 手軽に使えるタイプを選ぶ
- 「タブチのポリワン」は工具不要で差し込むだけの簡単構造。
- ホームセンターでも入手可能な製品もあり、初心者にもおすすめ。
● 柔らかく曲げやすい
- 曲げ半径が小さいため、工具が少なくても配管しやすい。
● 屋外施工にはカバーを
- 紫外線による劣化を防ぐため、UVカバーを被せて使用するのがベストです。
● 水道用途は規格確認を
- 飲用水やガス用途の場合は、必ずJWWA認証などの基準を満たした製品を使用しましょう。
✅ 施工上の注意点
● 専用継手の使用
ポリエチレン管は一般的な金属継手では接続できません。タブチのポリワンシリーズなど適合する継手の選定が重要です。
● 熱による伸縮に注意
ポリエチレンは熱膨張率が高いため、長尺配管や屋外施工時にはスライド支持や膨張対策が必要です。
● 紫外線への対応
製品によっては屋外露出に弱いタイプもあるため、紫外線防止カバーやUV対応品の選定が必要です。
● 法規制の確認
水道やガス用途で使用する際は、日本水道協会（JWWA）や高圧ガス保安法などの基準に適合しているかどうかを確認しましょう。
✅ まとめ
ポリエチレン二層管は、軽量・耐久・柔軟性を兼ね備えた高性能な配管材であり、住宅・工場・公共施設など幅広い分野で使用されています。特に施工性と耐薬品性、耐候性のバランスが良いため、長寿命化や省施工に貢献する管材です。
また、専用の「タブチのポリワン継手」を使えばDIYでも比較的簡単に扱えるため、小規模な水回りの改修や屋外配管の修理にもおすすめです。用途に応じた製品の選定や施工上の注意をしっかり守れば、安全で信頼性の高い配管システムを構築することが可能です。
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