【徹底比較】シリコン・変成シリコン・ウレタンシーラントの特徴と使い方

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シーリング材(シーラント)は、建築やリフォームの現場で欠かせない資材です。
特にシリコンシーラント・変成シリコンシーラント・ウレタンシーラントは用途が広く、それぞれに長所と短所があります。
本記事では、それぞれの特徴・使い方・選び方をわかりやすく解説します。


1. シーリング材とは?

シーリング材(シーラント)とは、建築部材のすき間や目地を埋め、防水や気密、衝撃吸収の役割を持つ材料です。
用途は多岐にわたり、以下のような場面で使われます。

  • 建物の外壁や屋根の目地
  • 浴室やキッチンの水まわり
  • サッシやガラスの固定
  • コンクリートのひび割れ補修
  • 車両や機械部品の接合

シーリング材は大きく分けてシリコン系、変成シリコン系、ウレタン系に分類されます。


2. シリコンシーラント(シリコーン系)

特徴

  • 主成分:シリコーン樹脂
  • 耐水性・耐熱性:非常に高い
  • 硬化速度:比較的早い
  • 塗装性:基本的に不可(塗料が密着しない)
  • 密着性:ガラス・タイル・一部金属に優れる

メリット

  • 強力な防水性で浴室・キッチン・水槽などの水まわりに最適
  • 紫外線や温度変化にも強く、屋外でも長寿命
  • 硬化が早く、作業効率が高い

デメリット

  • 上から塗装できない
  • モルタルやアルミなど、一部素材には密着しにくい

主な用途

  • ユニットバスや洗面台のコーキング
  • 窓枠・ガラス周辺の防水
  • 水槽の接着・補修

3. 変成シリコンシーラント(変成シリコーン系)

特徴

  • 主成分:変成シリコーン樹脂
  • 塗装性:可能(上から塗料がのる)
  • 密着性:金属・モルタル・木材など幅広い素材に対応
  • 環境性:溶剤をほとんど含まず、環境負荷が低い
  • 防カビ性:カビが生えにくく、汚れもつきにくい

メリット

  • 幅広い素材に密着し、屋根・外壁・内装まで対応
  • 塗装可能なため、美観を損なわない
  • 弾力と追従性があり、外壁の動きにも対応

デメリット

  • 耐水性・耐熱性は純粋なシリコンよりやや劣る
  • 硬化がやや遅い

主な用途

  • 屋根や外壁の目地
  • 塗装仕上げが必要な外装工事
  • 内装のすき間埋め

4. ウレタンシーラント(ポリウレタン系)

特徴

  • 主成分:ポリウレタン
  • 柔軟性:非常に高い(振動や動きに追従)
  • 密着性:コンクリート・木材・金属など多様な素材に密着
  • 塗装性:可能
  • 耐久性:長期間の耐用年数(ただし耐候性はシリコンより劣る)

メリット

  • 外壁・サイディング・ALCなどの目地施工で信頼性が高い
  • 衝撃吸収性に優れ、ひび割れ防止効果が高い
  • 塗装可能で仕上がりが美しい

デメリット

  • 紫外線や長期の水濡れにはやや弱い
  • 湿度が低いと硬化が遅くなる

主な用途

  • 外壁や窓枠の目地
  • コンクリートのひび割れ補修
  • 車体や機械部品の接合(2液型の場合)


5. 比較表

種類塗装性密着性耐水・耐熱主な用途
シリコン×限定的(ガラス・水回り)非常に強い浴室・窓枠・水槽
変成シリコン幅広い素材に密着やや劣る屋根・外壁・塗装下地
ウレタン幅広い素材に密着シリコンより弱い外壁・コンクリート補修

6. 選び方のポイント

  1. 塗装が必要かどうか
    • 必要 → 変成シリコン or ウレタン
    • 不要 → シリコン(防水性重視)
  2. 使用環境
    • 水濡れや高温が多い → シリコン
    • 屋外で多素材接合 → 変成シリコン
    • 外壁や振動が多い場所 → ウレタン
  3. 施工スピード
    • 急ぎ → シリコン
    • 仕上がり重視 → 変成シリコン or ウレタン

消費期限の目安

  • 変成シリコンシーラント:製造から約12〜18か月
  • シリコンシーラント:製造から約12か月
  • ウレタンシーラント:製造から約9〜12か月
    ※未開封・適正保管の場合の目安。メーカーや製品により異なりますので、必ずパッケージ表示を確認してください。

保存方法

  1. 未開封の場合
    • 直射日光や高温多湿を避け、5〜25℃程度の涼しい場所で保管
    • 立てた状態で保存し、ノズル部分を下にしない
  2. 開封後の場合
    • ノズル先端にラップやビニールを被せ、輪ゴムやテープで密封
    • 可能であれば冷暗所で保管(冷蔵庫は結露の恐れあり)
    • 数日〜数週間で硬化が進むため、なるべく早く使い切る

7. まとめ

  • シリコンシーラントは防水性最強、水回りの王様。ただし塗装不可。
  • 変成シリコンシーラントは万能型。塗装もでき、幅広い素材に対応。
  • ウレタンシーラントは柔軟性と密着性に優れ、外壁や振動のある場所に強い。

施工する場所・素材・仕上げ方法によって最適なシーラントを選べば、耐久性と美観を長く保てます。

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