耐火二層管とは?特徴・歴史・メーカーまとめ

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1. 耐火二層管とは

耐火二層管は、耐腐食性・耐久性に優れる塩ビ管に、耐火性能を持つモルタルを外側に被覆させた二層構造のパイプです。
火災時には外層が発熱により膨張・閉塞し、煙や有毒ガスの漏洩を防ぐ役割を果たします。

メリット

  • 内側の塩ビ管は耐腐食性・耐薬品性に優れる
  • 外層モルタルは吸水性があり防露施工が不要
  • 二層構造により遮音性能が高い
  • 軽量で施工が容易
  • 耐震性にも優れる

2. 歴史と主なメーカー

  • トーアトミジが最初に耐火二層管を製造・販売
  • フネンアクロスが1994年に設立
    • 1998年「フネンパイプ(アスベスト不使用の耐火二層管)」を販売開始
  • 現在の取扱メーカー
    • フネンアクロス
    • 昭和電工建材(ケイプラ)

3. メジフリー継手とは

従来はパイプと継手を接続する際に隙間が生じ、その隙間を埋めるために目地材を盛る“メジ施工”が必要でした。
現在は継手にメジリングが内蔵
されており、隙間を自動で埋めるためメジ施工が不要になっています。これにより施工効率が大幅に向上しました。


4. 耐火二層管が使われる建物・場所

耐火二層管は火災時に閉塞して延焼を防ぎ、内管の塩ビ管を守ります
主な採用建物は以下の通りです:

  • 住宅系:賃貸マンション・分譲マンション・ホテル(耐火集合管の採用が多い)
  • その他:オフィスビル・店舗・病院・老人ホーム

5. 認定書と評定書

  • 認定書:建築基準法に基づき、国土交通大臣から認められた配管材である証明
  • 評定書:消防法に基づき、消防設備安全センターが評価した配管材である証明

これにより、耐火二層管は不燃材と同等の法的根拠を持つ製品として扱われています。


6. 製品関連(フネンアクロスの例)

  • フネン耐熱管:赤い内管(HT塩ビ管)が特徴。高温排水に強い
  • フネン大口径:200A唯一の樹脂系耐火排水管
  • フネン遮音システム:吸音ウレタンフォーム(5.0mm)+遮音シート(樹脂製1.0〜1.2mm)+ALGCアルミガラスクロス(0.2mm)を組み合わせ、遮音性を強化
  • アクロスジョイントシリーズ(アクロスBK):集合管システム
    • 標準仕様:閉塞機能材を一体化 → 支持金具省略可能
    • 火災時:熱膨張材で管内を閉塞し延焼を防止
    • ラインアップ
      • XJH-BK(ハイパワーブロック):超高層30階規模対応
      • XJS-BK(スマートブロック):中層10階規模対応
      • 遮音仕様タイプもあり
    • フネンユニット配管と組み合わせ、施工簡略化・端材削減に貢献
  • FVキャップ(屋上用通気管カバー):施工が簡単でメンテナンスも容易

7. まとめ

耐火二層管は、記述した通り耐火・遮音・耐震など多くの優れた性能を持つ商品です。
しかし近年では、トーアトミジや**エーアンドエーマテリアル(浅野)**などが製造を中止しました。背景には、

  • 防火措置済みの樹脂管
  • 遮音性や耐火性に優れた新素材配管

といった代替製品や新工法の普及があります。これは耐火二層管にとって大きな脅威です。

それでも、アスベスト対策を克服し、新しい集合管を開発する技術がある耐火二層管は、今後も管材業界で知っておくべき重要な製品の一つです。

👉 本記事が、耐火二層管についての理解を深めるお役に立てば幸いです。

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