給排水用の配管に使用されるパイプとその特徴【9種類まとめ】

商品紹介

住宅・ビル・工場などで必要不可欠な「給排水配管」。使われるパイプには種類が多く、それぞれ特徴や用途が異なります。今までブログで紹介した管のまとめ記事を書いてみました

今回は、代表的な9種類の配管用パイプについて、用途・特徴・注意点をまとめて紹介します。


1. ダクタイル鋳鉄管(DUCTILE)

(DICP) JIS G 5526

特徴:

  • 高強度・耐衝撃性に優れる。
  • セメントモルタルライニングによって耐腐食性も確保。
  • 外圧にも強く、土中埋設にも適する。
  • 電食の影響を受けにくく、強靭性に富んでいる

用途:

  • 上水道、下水道、本管給水などの幹線管。

2. 炭素鋼鋼管(SGP白管)

SGP (白) JIS G 3432

特徴:

  • 亜鉛めっき処理(白ガス管)で、錆に強い。
  • 主に屋内露出配管で使用。
  • 内外面にメッキが施され、白に見える

用途:

  • 給水、冷温水、空調配管。

3. 炭素鋼鋼管(SGP黒管)

SGP(黒) JIS G 3452

特徴:

  • メッキなしの安価な鋼管。
  • 溶接配管に多用される。
  • 内外面にメッキが施されていない

用途:

  • 消火配管、空調・冷却水配管など。

4. ステンレス鋼管(SUS)

(SUS) JIS G 3448

特徴:

  • 高耐食・高衛生で長寿命。
  • 初期費用は高め。
  • 耐熱性や耐久性に優れている
  • イニシャルコストが高い

用途:

  • クリーンルーム、食品・医療施設、一般給水。

5. 建築用銅管(被覆銅管)

(CUP) JIS H 3300

特徴:

  • 抗菌性、加工性、耐久性に優れる。
  • 外装に断熱材を巻いた被覆タイプが一般的。
  • 耐食性や耐久性に優れている
  • 水質によっては銅イオンが溶出してしまうことがある

用途:

  • 冷媒配管、給湯、屋内給水。

6. 硬質塩ビライニング鋼管(VA・VB・VD)

(VLP) JWWA K 116

特徴:

  • 鋼管内面に塩ビをライニング。
  • 水質に配慮された住宅設備向け配管。
  • 耐食性や耐久性に優れている
  • 機械的強度が高い

用途:

  • 建物内部の給水、冷温水配管。

7. 架橋ポリエチレン管(PE-X)

(XPEP) JIS K 6769

特徴:

  • 柔軟性が高く、曲げ配管が可能。
  • 継手施工が容易(ワンタッチなど)。可とう性があり継手が少なく済むため、漏水リスクが少ない
  • 耐食性に非常に優れている 建物の寿命に匹敵するほどの高耐久性
  • 軟質で、施工性も良く、運搬も容易
  • 住宅用配管の主力材料

用途:

  • 給湯・床暖房・ヒートポンプ配管など。

8. 塩ビ管(VP管)

(VP) JIS K 6741

特徴:

  • 軽くて安価、加工性◎。
  • 耐薬品性もあり。
  • 土中埋設部に多く使用される
  • 軽量で、施工性と運搬性が良い

用途:

  • 排水・通気管、配線保護管。

9. 耐衝撃性塩ビ管(HI-VP)

(HIVP) JIS K 6741

特徴:

  • VPよりも衝撃に強く寒冷地に対応。
  • 外圧にも強く、埋設にも安心。
  • 外部からの衝撃に強い

用途:

  • 給水、埋設配管、屋外配管。

📊 9種類の管材 比較表

管種使用温度用途特徴耐久年数
ダクタイル鋳鉄管200℃以下上下水道、本管給水高強度・耐久性◎・埋設に最適25〜40年
SGP白管(白ガス管)−15℃〜50℃以下屋内給水、空調外観◎・加工性〇・耐食性あり15〜30年
SGP黒管(黒ガス管)−15℃〜350℃以下空調・消火配管安価・溶接向き・腐食注意15〜30年
ステンレス鋼管(SUS)100℃以下給水・食品・医療施設耐食・衛生・高寿命30年
被覆銅管(建築用銅管)70℃以下給湯・冷媒加工性◎・抗菌・外装断熱15〜30年
ライニング鋼管(VA等)40℃以下屋内給水・冷温水耐食◎・寸法安定・継手で選定注意20〜25年
架橋ポリエチレン管95℃以下給湯・床暖房柔軟・耐熱・継手が簡単30年
塩ビ管(VP)60℃以下排水・通気・配線保護軽量・安価・加工性◎50年
HI-VP(耐衝撃塩ビ管)50℃以下給水・寒冷地・埋設配管VPより耐衝撃◎・寒冷地◎50年

🔚 まとめ

建物の規模、使用環境、施工方法により、最適な管材は異なります。とくに改修やリフォームにおいては、既設配管との接続性や耐久年数を意識した選定が重要です。

配管は基本的に部材の「サイズ」と「材質」を考え使用するものを決めます 「サイズ」は建物の規模や用途、「材質」は素材のグレードと強度を考慮するのがいいと思います

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