【冷媒用銅管とは?】種類・サイズ・加工・施工のポイントを徹底解説!

商品紹介

空調設備に欠かせない配管資材といえば「冷媒用銅管」です。エアコンや冷凍機の冷媒(R32、R410Aなど)を安全かつ効率的に循環させるために使われる重要な部材です。

この記事では、冷媒用銅管の基本的な知識から、種類、サイズ、加工方法、施工のポイントまでをわかりやすく解説します。これから空調工事を学ぶ人や、現場での選定ミスを防ぎたい施工者の方に役立つ内容になっています。


冷媒用銅管とは?

冷媒用銅管は、空調機器で使われる冷媒ガス(R32、R410Aなど)を屋内外ユニット間で循環させるための専用配管です。高圧・低温の冷媒を通すため、耐圧性・気密性・耐腐食性に優れた素材が求められます。

銅は熱伝導性・加工性が高く、空調配管に最も適した素材として広く採用されています。


建築銅管との違い

一見すると同じように見える銅管ですが、”建築銅管”と”冷媒用銅管”では目的・性能・規格が大きく異なります。以下の表で主な違いを整理してみましょう。

比較項目冷媒用銅管建築銅管
主な用途空調機器の冷媒ガス配管水道、給湯、ガス、排水など一般配管
材質無酸素銅(C1220T)無酸素銅・リン脱酸銅(C1220、C2700など)
内圧仕様高圧対応(R410A対応など)中低圧(通常給水・給湯圧)
表面仕上げ磨き仕上げ(フレア加工対応)一般仕上げまたはコーティング
接続方式フレア・ろう付け(空調専用継手)はんだ付け、圧着、ねじ込み継手など
必要な性能高耐圧・高気密・耐食清浄性・耐久性・配管しやすさ

注意点

  • 建築用の銅管は冷媒用に転用不可:耐圧不足やフレア加工不適合で冷媒漏れや破裂の危険性があります。
  • 冷媒用銅管は建築用よりも価格が高めですが、安全性と耐久性を重視する空調設備には必須です。

冷媒用銅管の種類

冷媒銅管にはいくつかの種類があり、用途や施工方法によって使い分けられます。

1. JIS H3300 C1220T

  • 冷媒配管として最も一般的な無酸素銅
  • 耐食性が高く、冷媒機器メーカーも指定する規格

2. 被覆銅管(保温材付き銅管)

  • 銅管にウレタンフォームなどの保温材が巻かれており、施工が楽
  • 配管後すぐに化粧・カバーができ、省施工に貢献

3. 二重管(ツインタイプ)

  • 高圧管と低圧管をあらかじめ2本並列で接着したもの
  • ルームエアコンの施工時間短縮に効果的

サイズと規格

冷媒用銅管のサイズは、外径で表示されます。主に**インチサイズ(分数表記)**で流通しています。

呼び径(分数)外径(mm)用途例
1/4(6.35)約6.35一般的なルームエアコンの高圧側
3/8(9.52)約9.52一般的なルームエアコンの低圧側
1/2(12.7)約12.7業務用・マルチ用低圧側
5/8(15.88)約15.88業務用・高能力機器

※冷媒の種類(R410Aなど)に応じて、内圧が高くなるため、耐圧規格の確認が重要です。


加工方法と工具

銅管の接続にはフレア加工またはろう付けが用いられます。

1. フレア加工

  • 銅管の先端をラッパ状に広げ、ナットで接続
  • 室内機と室外機の接続に多用
  • 専用の「フレアツール」が必要

2. ろう付け

  • 専用バーナーとろう材を使用して金属同士を接合
  • 業務用エアコンや長距離配管に適する
  • 熟練技術が必要で、資格を要する場合あり

施工時の注意点

✅ 曲げ加工は慎重に

銅管は曲げやすい反面、潰れや折れに注意が必要。ベンダーなどの専用工具を使用することで、美しく、冷媒流量を確保したまま曲げることができます。

✅ 冷媒漏れのチェック

施工後は必ず気密試験(窒素加圧)とリークチェックを実施。施工ミスを未然に防ぎ、信頼性の高い配管を実現します。

✅ 被覆材の破損に注意

被覆銅管を使用する場合、保温材の破れや押しつぶしがあると、結露や熱損失の原因となります。取扱時には丁寧に扱いましょう。


よくある質問(Q&A)

Q. 冷媒用銅管は水道用と何が違う? → 冷媒用は無酸素銅(脱酸処理)で耐圧性が高く、冷媒漏れを防ぐ仕様になっています。水道用銅管(C1220以外)は用途が異なります。

Q. フレアナットは再利用できる? → 基本的には再利用NGです。ナットの摩耗やパッキンの劣化により漏れが発生しやすくなるため、新品を使うのが望ましいです。


まとめ

冷媒用銅管は、空調設備において非常に重要な役割を果たす資材です。種類やサイズの理解、正しい加工と施工を行うことで、機器の性能を最大限に発揮させ、冷媒漏れなどのトラブルも防止できます。

また、見た目が似ていても建築銅管とは使用目的・仕様が大きく異なるため、誤った流用は絶対に避けるべきです。これから空調業界に入る方や、現場での施工品質を上げたいと考えている方にとって、冷媒用銅管の知識は必須です。ぜひ本記事を参考に、安全で確実な配管施工を行ってください。

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