塩ビ管とは?種類・記号の意味・使用場所を解説【配管の基本知識】

配管材料基礎知識

はじめに

建物の給水・排水設備に欠かせない配管材料の一つが「塩ビ管(塩化ビニル管)」です。
コストが安く、施工もしやすいため、住宅・工場・公共施設などあらゆる現場で使われています。
この記事では、塩ビ管の種類や用途、記号の意味まで分かりやすく解説します。


塩ビ管とは?

塩ビ管は、塩化ビニル樹脂(PVC)を素材にしたプラスチック製の配管です。
軽量・耐腐食性・加工しやすさなどの特徴があり、鉄管などに比べて施工性に優れる
のがポイント。


塩ビ管の種類と記号の意味

1. VP管(硬質塩化ビニル管)

  • 最も一般的な塩ビ管
  • 主に排水・通気管に使われる
  • 厚みがあり、耐圧性もある
  • JIS記号:VP

2. VU管(薄肉塩化ビニル管)

  • VPより肉薄でコストが安い
  • 排水・通気用だが、圧力がかかる用途には不向き
  • 軽量で扱いやすい
  • JIS記号:VU

3. HIVP管(耐衝撃性硬質塩化ビニル管)

  • VP管より耐衝撃性が高く、給水管など圧力がかかる用途に使用
  • 耐寒性もあり、屋外でも割れにくい
  • JIS記号:HIVP

4. HT管(高耐熱塩ビ管)

  • 60℃程度の温水排水対応
  • 高温排水がある現場や厨房排水などに使われる
  • JIS記号:HT

用途別の選び方

種類主な用途特徴
VP管排水・通気標準的、耐圧あり
VU管排水・通気薄肉、コスト安
HIVP管給水耐圧・耐衝撃性あり
HT管高温排水(厨房等)耐熱性あり

施工上の注意点

  • 接着剤の選定:塩ビ専用接着剤を使用する(VPとHIVPは異なる場合あり)
  • 勾配の確保:排水管は適切な勾配がないと詰まりやすくなる
  • 直射日光対策:紫外線による劣化を防ぐため、露出配管には遮光カバーが有効

まとめ

塩ビ管は、用途や現場環境に応じて種類を選ぶことが重要です。
施工性とコストのバランスが良いため、住宅から商業施設まで広く使われています。
管種の違いや記号の意味をしっかり理解しておくと、選定ミスや施工トラブルも防げます。

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