配管設備に使われるゲートバルブ(仕切弁)は、流体を完全に開くか止めるかを目的とした基本的なバルブです。
特に給水・給湯配管、主幹ライン、本管系統などで多く使われています。
今回はゲートバルブの基礎に加えて、一般的なタイプ別の違いと用途をわかりやすく解説します。
ゲートバルブとは?
ゲートバルブは、内部の弁体(ディスク・ジスク)が上下にスライドして管路を開閉する構造です。
ハンドルを回してステム(軸)を上下させ、弁体が流れを遮断したり開放したりします。
- 全開・全閉が目的
流量調整には向きません。 - 流体抵抗が小さい
全開時は流路が一直線なので圧力損失が少ない特性があります。 - 開閉頻度が少ない場所に最適
こうした特徴により、配管設備の主幹ラインや分岐元に多く用いられています。
東洋バルヴのゲートバルブ代表 5 種類
以下では、東洋バルヴ の主要なゲートバルブを例に、それぞれの違いと用途を解説します。
1. 通常のゲートバルブ — J10 BSR
これはいわゆる標準形のゲートバルブで、
銅合金(青銅)製の基本モデルです。JIS 規格の 10K ねじ込み形で、給水・給湯の配管全般に使われます。
- 材質:青銅(CAC406 など)
- 特徴:伝統的・シンプル設計で広く流通
- 用途:一般配管の開閉用途
- 圧力クラス:10K(一般給水配管)
標準型なので、特別な防食や鉛対策が不要な一般用途向けです。
2. 鉛レスのゲートバルブ — LJ10 BSR
鉛を含まない(鉛レス)材料で作られたゲートバルブです。
飲料水の安全性が求められる配管に適しています。
- 材質:鉛フリー青銅(CAC911 など)
- メリット:鉛の溶出がなく、飲料水に安心
- 用途:飲料水配管や環境配慮が必要なライン
鉛フリー材料により、飲料水基準にも対応できます。
3. 鉛レス コア入り ゲートバルブ — LJ10 BSR-SK
鉛レスに加えて、管端防食用のコアを内蔵したタイプです。
コアとは、ねじ接合部から水が侵入するのを防ぐ樹脂製のライナーで、腐食防止に役立ちます。
- 特徴
- 鉛レス青銅製
- コアが内蔵されていて「コアの入れ忘れ」がない
- ライニング鋼管との親和性が高い
- メリット
- 赤水や管端腐食を抑制
- 施工性が向上(コアを別途入れる必要なし)
- 用途:給水本管・ライニング鋼管接続部など
コア内蔵による防食機能が付くため、赤水対策や長期耐久性がより求められる配管に最適です。
4. 鋳鉄ゲートバルブ — J10 FSRF
配管サイズが大きくなると、鋳鉄製のゲートバルブが使われることがあります。
鋳鉄(FCD/FC200 など)は、比較的大口径・高強度が必要な用途に適しています。
- 材質:鋳鉄
- 特徴:
- 大口径配管対応
- 強度・耐磨耗性に優れる
- 用途:工場配管、大口径系統、屋外本管など
- 規格:JIS B2031 など
鋳鉄製は耐久性が高く、建築設備・プラント配管の主幹線に用いられます。
5. 鋳鉄 ナイロンライニング ゲートバルブ — J10 FSRF-CN
鋳鉄ゲートバルブの内部に ナイロンライニング(樹脂コーティング) を施したタイプです。
- 特徴
- 鋳鉄の強度は保持しつつ、内部を樹脂でライニング
- 腐食耐性・摩擦低減効果
- メリット
- 水質劣化防止
- 長寿命化
- 用途:腐食性液体や耐久性を重視する配管
鋳鉄タイプにライニングを施すことで、内面腐食や赤水発生を低減できます。
まとめ(用途別の選び方)
| タイプ | 材質 | 特徴 | 適する用途 |
|---|---|---|---|
| J10 BSR | 青銅 | 標準型 | 一般給水配管 |
| LJ10 BSR | 鉛レス青銅 | 鉛フリー | 飲料水ライン |
| LJ10 BSR-SK | 鉛レス青銅 + コア | 防食強化 | ライニング鋼管接続 |
| J10 FSRF | 鋳鉄 | 大口径・高強度 | 主幹ライン |
| J10 FSRF-CN | 鋳鉄 + ナイロン | 内部ライニング | 腐食抑制系 |
ゲートバルブのポイント
✔ 全開・全閉の「オン・オフ」用途に向く
✔ 流体の抵抗が少なく、経済的な配管が可能
✔ タイプごとに耐久性・防食性が変わる
まとめ
ゲートバルブは配管の基本であり、使用環境に応じた選び方が重要です。
銅合金製の標準型から、鉛レス・防食コア入り、さらに鋳鉄・ライニング製まで、用途や施工条件に合わせて選ぶことで、寿命や信頼性を高めることができます。
特に近年は 鉛レス・コア入りタイプ が普及しており、安全性・耐久性・施工性の面で高い評価を得ています。

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