はじめに
塩ビ管を接続する際に欠かせないのが「塩ビ用接着剤」。
ですが、接着剤の種類や使い方を間違えると、水漏れや破損の原因になることも。
この記事では、塩ビ接着剤の基本知識から失敗しない使い方、おすすめ商品まで詳しく解説します。
1. 塩ビ管用接着剤とは?
塩ビ用接着剤は、塩ビ管同士を溶かして密着させる接着剤です。
強固で水漏れの少ない接続が可能ですが、使用時には注意が必要です。
2. 主な種類と特徴
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
一般用(有機溶剤系) | 標準的な粘度、広く使われる | 給排水全般 |
高粘度タイプ | 溝にたまりやすく接着力が高い | 大口径配管 |
透明タイプ | 仕上がりがきれい | 見た目を重視する場所 |
耐衝撃タイプ | 衝撃に強い配合 | 屋外・可動部に近い箇所 |
3. 接着の正しい手順と注意点
- 切断面をきれいにする
→ バリを取り、接着面を平滑に - 脱脂・乾燥
→ 水分・油分があると接着不良の原因に - 仮合わせ(ドライフィット)
→ 奥まで入るか、きつすぎないか確認 - 接着剤を塗布し、すぐ差し込む
→ 時間を置かない!押し込んで数秒保持 - 完全硬化まで動かさない
→ 少なくとも数時間、理想は24時間静置
4. よくある失敗と対策
- 接着剤を塗りすぎて内径がふさがった
→ 適量を守る。特に小口径では注意! - 乾く前に動かしてしまった
→ 忙しくても固定時間は厳守 - 油分が残っていて接着できなかった
→ パイプクリーナーの使用がおすすめ
5. 用途別おすすめ接着剤
塩ビ管用の接着剤は、有機溶剤に基材(塩ビ樹脂)等を溶解したものです。
有機溶剤には引火性や中毒性がありますので、使用上のご注意や適用法令の遵守をお願いします。
クボタケミックスの給水・水道配管用接着剤「タフダイン青」「タフダイン赤」「タフダインHI」「タフダインHI白」は日本水道協会規格 JWWA S101「水道用硬質塩化ビニル管の接着剤」に準拠しております。給水・水道配管には専用接着剤を使用してください。
接着剤は未開封で冷暗所に保管した状態で一般的に2年程度は使用可能です。HT用接着剤は未開封での使用期限を設定しています。すべての接着剤は、開封後において、「溶剤の臭いが無い」、「ゼリー状に固まっている」ような状態では使用不可です
タフダイン青 適用口径13〜150 低粘土速乾性 早く乾くため200以上の口径には適しません
タフダイン黄 適用口径200以上 高粘土遅乾性 水道配管には使用不可
タフダインHI HIVP用VPにも使用できます 低粘土速乾性
タフダインHT HT配管専用接着剤。片側がVP、VUの場合もこちらを使用してください
6. よくある質問(Q&A)
Q:接着剤は再利用できますか?
→ 一度固まると再接着できないので注意。
Q:夏と冬で乾燥時間は変わりますか?
→ 冬は乾きにくいので長めの養生時間を。
まとめ
塩ビ管の接着は簡単そうに見えて、実は奥が深い作業です。
正しい接着剤選びと施工手順を守ることで、水漏れのない安全な配管が実現できます。
これから塩ビ管の施工を行う方は、この記事を参考に、失敗のない作業を心がけてください!
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