排水器具とは?排水目皿・トラップ・掃除口などを徹底解説!

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近年の建築設備やリフォームで「排水器具」という言葉を耳にすることが増えました。排水器具は、水が安全かつ確実に排出されるようにするための重要な要素です。今回は、排水目皿からトラップ、掃除口、ドレン、通気金物、防水継手に至るまで、初心者にもわかりやすく解説します。


目次

  1. 排水目皿とは
  2. 排水トラップとは(役割・構造・二重トラップ)
  3. 掃除口とは
  4. 掃兼ドレンとは
  5. 非防水層用・防水層用ドレンの違い
  6. 通気金物・防水継手について
  7. まとめ

1. 排水目皿とは

排水目皿(はいすいめざら)は、床面に設けられる排水口の上に取り付けられる金属や樹脂製のカバーです。ごみや髪の毛などが配管へ流入するのを防ぎ、排水経路を保護する役割を果たします。

排水口に異物が流れ込むのを防止するため、格子状の開口部をもった蓋と排水管に接続される枠で構成されています

主な用途:

  • 浴室
  • 洗面所
  • バルコニー
  • キッチン床

目皿はステンレス製、ABS樹脂製などがあり、施工現場の仕上げ材やデザインによって形状やサイズも異なります。


2. 排水トラップとは

排水トラップは、悪臭や害虫の侵入を防ぐために
リンクの途中に設けられる装置です。

目皿にトラップと呼ばれる装置を組み合わせた製品。

● トラップの役割

  • 配管内部の臭気(下水臭)の室内への逆流を防ぐ
  • 害虫(ゴキブリ・蚊など)の侵入防止

● トラップの構造

排水管の一部をS字やP字に湾曲させ、水が常時溜まる構造とし、それが”封水”となります。この封水がバリアとなって空気の流れを遮断します。

● 主なトラップの種類

  • Sトラップ
  • Pトラップ
  • ボトルトラップ(洗面器などに使用)
  • フロアトラップ

● 二重トラップに注意

キッチンなどで排水機器の中にすでにトラップがある場合、床の排水トラップと合わせて”二重トラップ”になることがあります。これにより排水不良や異音の原因になるため、施工時に要注意です。

二重トラップは良好な排水の流れを阻害してしまうので、建築法で禁止されている 
トイレの便器から排水した汚水は下水に流れ出る。しかし排水するだけならいいのですが、逆に下水管からガスや虫、臭気が流れ込む可能性があります。それを阻止するために設けるのが『トラップ』です。このトラップを設けることで『封水』を保ち逆流を阻止します。このトラップを2つ設けてしまうと、トラップとトラップの間で空気ができてしまい、この空気が流れをストップさせてしまいます

二重トラップの解決法
トラップを1つにすることで問題が解決できます
もしくは、トラップの間に空気が抜け器具を取り付けることで二重トラップの解消となります

例 アロン製品のUTと通気口付蓋をつけることで二重トラップは解消


3. 掃除口とは

掃除口(そうじぐち)は、排水管の途中に設けられるメンテナンス用の開口部です。

● 主な役割:

  • 配管内の点検や清掃を行う際のアクセス口
  • 詰まりの除去や高圧洗浄時の挿入口

設置場所は壁・床・天井裏など様々で、点検しやすい位置に設置されます。

配管内で詰まり等が発生した時に、掃除器具や検査用カメラを挿入するため使用します


4. 掃兼ドレンとは

掃兼(そうけん)ドレンとは、掃除口とドレン(排水口)を兼ねた製品で、メンテナンス性と排水性の両立を目的に使用されます。近年では排水金具に変わり、この掃兼ドレンを採用する現場が増えてきています

● 特徴:

  • 掃除口付きのドレン形状
  • 主に屋外バルコニーや屋上に設置
  • 排水しながら点検も可能

特に勾配の少ない屋外床で重宝される構造です。


5. 非防水層用・防水層用とは

● 防水層の役割:

防水層は主に2階より上の階に設置されることが多いですが、地下にある場合は、1階でも防水層が設置されることもあります。
基本的に非防水層用は地下がない場合、1階に設置します(逆をいえ、2階以上には非防水層用は設置しません)

排水器具やトラップを設置する際、安全に防水層を貫通させる為に、防水層用の排水器具(防水皿、防水層用トラップ)があります。

● 防水の種類:

  • アスファルト防水:溶かしたアスファルトを、防水皿や防水の必要な場所に塗る工法です
  • シート防水:シート状の防水層を、防水皿(シート受け)に乗せ、シートを押えで防水層を挟み込む工法です。
  • 塗膜防水:液体状の防水剤を、防水皿(シート受け)に乗せ、シート押さえで防水層を挟み込む工法です。

6. 通気金物・防水継手について

● 通気金物とは:

排水の流れによって配管内の気圧が変化することで、トラップ封水が引き抜かれる「サイホン現象」を防ぐために設けられる通気部材です。

  • 屋内通気弁(AAV)やベントキャップなどが該当
  • 排水性能と臭気対策の両立が可能
  • 排水における通気の最も重要な役割は、トラップの封水が損失しないように、配管内の圧力を安定させることです

● 防水継手とは:

防水継手の役割とは:防水継手は排水設備にとって欠かすことのできない『通気』を確保する為の通気管を、屋上に貫通させる為の継手になります。防水継手を用いることにより、防水層貫通部の施工を簡単・確実に行う事が可能となり、更にベンドキャップと組み合わせる事により通気口としても機能します。

どんな場所に防水継手を設置するのか:防水継手は建物の屋上防水貫通部分に使用されますので、基本的には屋根に設置されます。ただし屋根と言っても防水継手は平らな屋根に設置することを前提とした構造となっており、傾斜屋根に設置することは基本的にはできません。

防水継手の種類:防水継手は大きく分けて『後付型』と『打込型』の2種類の施工方法があります


7. まとめ

排水器具は、水回り設備の中でも見落とされがちですが、住宅や建物の快適性・安全性を大きく左右する重要な要素です。

  • 排水目皿で異物混入を防止
  • トラップで悪臭をシャットアウト
  • 掃除口や掃兼ドレンでメンテナンス性を向上
  • 防水層用ドレンや通気金物で雨漏りや封水切れを防止

それぞれの器具の役割を理解し、正しい設置・選定を行うことで、トラブルの少ない排水システムを構築することができます。

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