SGP-VS・STPG-VSとは?特徴・用途・違いを徹底解説【消火設備・屋外配管向け】

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はじめに

消火設備や屋外配管、連結送水管などに使用される鋼管の中で、「SGP-VS」や「STPG-VS」という呼称を耳にすることがあると思います。これらはいずれも、鋼管の外面に硬質塩化ビニル(PVC)を被覆した防食鋼管のことです。

見た目は似ていますが、使用される原管の規格や強度、用途が異なるため、設計者や施工者は正しく選定する必要があります。本記事では、SGP-VSとSTPG-VSの特徴・用途・違いをわかりやすく解説し、さらにメーカー情報や規格、選定のポイントまで詳しくまとめます。


1. SGP-VSとは

概要

SGP-VS管とは、JIS G 3452「配管用炭素鋼鋼管(SGP)」の白管を原管とし、**外面に硬質塩化ビニル(PVC)を被覆(コーティング)**した防食鋼管です。

  • 原管:SGP白管
  • 外面処理:硬質塩化ビニル(PVC)コーティング
  • 内面処理:多くの製品で亜鉛メッキを採用
  • :黄土色系が主流

特徴

  • 外面耐食性に優れる:雨水・酸性土壌・塩害・電食に強い
  • 屋外・地中配管に対応:従来の塗装や亜鉛メッキよりも長期耐久性が高い
  • 施工性:一般の鉄管同様、切断・ねじ切り加工が可能
  • 消防法対応品:消火配管として国土交通省や消防庁仕様書に明記

主な用途

  • 消火配管
  • 地中埋設管
  • 屋外露出配管

👉 SGP-VSは、消火設備や屋外・地中など、外面腐食を防ぐ必要がある場面に最適な管材です。


2. STPG-VSとは

概要

STPG-VS管とは、JIS G 3454「圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG:白管)」を原管とし、外面に硬質塩化ビニル(PVC)を被覆した鋼管です。

  • 原管:STPG白管(Sch40以上が一般的)
  • 外面処理:硬質PVC被覆
  • 耐圧性:SGPよりも高い耐圧性能

特徴

  • 優れた耐圧性:高圧水が流れる配管に使用可能
  • 耐食性・耐薬品性:PVC被覆で酸・アルカリ・塩類にも強い
  • 耐候性:紫外線・雨水に強く屋外露出にも対応
  • 施工性:外面被覆を剥がさずに加工できる
  • 信頼性:押し出し成形による一体被覆で、ピンホールや剥離の心配なし

主な用途

  • 消火栓配管
  • 連結送水管
  • 屋外露出配管
  • 地中埋設配管

👉 STPG-VSは、消火栓や連結送水管など、耐圧性と耐食性を同時に求められる配管に最適です。


3. 「SGP」「STPG」「VS」の意味

  • SGP:JIS G 3452「配管用炭素鋼鋼管」。一般的な配管用鋼管。
  • STPG:JIS G 3454「圧力配管用炭素鋼鋼管」。耐圧性が必要な配管に使用。
  • VS:「Vinyl Sheath(ビニールシース)」の略。外面に硬質塩化ビニルを被覆した管を示す。

👉 つまり、SGP-VSは一般配管用鋼管にPVC被覆をしたもの、STPG-VSは圧力配管用鋼管にPVC被覆をしたものという違いがあります。


4. SGP-VSとSTPG-VSの違い

見た目は似ていますが、両者は「強度」と「用途」が異なります。

種類原管規格外面処理主用途特徴
SGP-VSJIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管(白管)硬質PVC被覆+内面亜鉛メッキ消火設備・屋外・地中配管耐食性に優れる。一般的な消火配管に多用。
STPG-VSJIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管(白管)硬質PVC被覆消火栓配管・連結送水管高い耐圧性を持ち、耐食性も確保。

👉 まとめると

  • SGP-VS:外面耐食性重視。一般的な消火配管・屋外配管向け。
  • STPG-VS:外面耐食性+高耐圧性。連結送水管や消火栓など高圧配管向け。

5. SGP-VS・STPG-VSが選ばれる理由

1. 強力な外面防食性能

PVC被覆により、酸性土壌・塩害・電食といった腐食要因から鋼管を長期間守ります。

2. 法令・規格への適合

国土交通省・消防庁仕様書や日本水道鋼管協会規格(WSP041)に対応し、公共工事・消防設備で安心して使用可能。

3. 信頼性と施工性

従来の鉄管と同じように切断・ねじ切りができるため施工が容易。さらに長年の実績があるため信頼性も高い。


6. 主なメーカー

  • 株式会社協成:「キーロンVF」としてSGP-VS・STPG-VSを製造。WSP041登録製品。
  • JFEスチール:公共仕様書対応品を製造・供給。

👉 国内では上記メーカーが代表的なサプライヤーであり、公共工事や民間建築で広く採用されています。

7.SGP-VS・STPG-VS対応 継手メーカー一覧

SGP-VS(JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管に外面被覆)

メーカー継手名称
CK金属PCVF継手
協成VF継手
リケンFK継手
桑名金属PCS継手
日本継手K-PLV継手

STPG-VS(JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管に外面被覆)

メーカー継手名称
CK金属PCHB継手
協成20KVF継手
リケン20KFK継手
桑名金属PCHB継手
日本継手PCHB継手

解説

  • SGP-VS:一般配管用の被覆管。継手も「VF」「FK」「PCS」など比較的軽圧用途に対応。
  • STPG-VS:圧力配管用の被覆管。耐圧性が必要なため、「20K」規格や「PCHB」など強度を持たせた継手が採用される。
  • メーカーごとの違い:呼び方は異なりますが、基本性能は同等であり、規格や用途に合わせて選定されます。

8. まとめ

  • SGP-VS:SGP白管にPVC外面被覆を施した防食鋼管。消火設備・屋外・埋設配管に最適。
  • STPG-VS:STPG白管にPVC外面被覆を施した防食鋼管。耐圧性を要する消火栓・連結送水管向け。
  • 違い:SGP-VSは「耐食性重視」、STPG-VSは「耐圧+耐食性重視」。
  • 共通点:いずれも消防法や公共工事仕様に対応し、外面腐食を防ぐ信頼性の高い管材。

👉 設計者や施工者は、**「設置環境」と「必要圧力」**を考慮して、SGP-VSとSTPG-VSを正しく使い分けることが重要です。

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